フィレンツェ・バスの乗り方でさらに混乱するの巻

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さて、美味しいパスタで空腹も満たされて、いい時間になったので空港を出てバス停に戻ると、さっきの静かなおじいさんがまだ座っている。バス停にはわたし以外にも大きなスーツケースを持った観光客らしき人たちが何人かいたが、次々とやってくるバスに乗ってみんなどこかに行ってしまった。

おじいさんはそのどれにも乗る様子を見せず、じーっと座っている。うーん、やはり時間を持て余している近所のご老人なのかな?と想像していると、急に

「●●●●●●●●●●●●●●●●(←わたしが目指しているバス停)には初めて行くのか?」

と質問された(気がした)。

そうです、と答えると無言で「そうかそうか」とうなづいている。

ここで、さわこさんから「空港の中でもバスのチケットは買えますからね」と言われていたことを思い出したわたしだったが、もう引き返す気力は残っておらず…。

「まあ、バスの中で現金で払えばいいや。みんなの真似して乗ろうっと」

と、妙にお気楽に構えていた。←飛行機が間違っていなかったこととバス停を発見できたことでオールオッケーになっている。

やがて、わたしが乗るバスが近づいてくるのが見えた…とその時!

それまで静かに座っていたおじいさんがガバッと立ち上がって歩道(車道ではない)に飛び出し、バスに向かってブンブン手を振るではないか!




 

いきなり違う生き物になったようなその変化にわたしびっくり。

おじいさんは、運転席横のドアが開くと運転手さんに向かって「●●●●●●●●●●●●●●●●!?」と尋ねている。わたしの降りるバス停を確認してくれたようだった。いいひとだ!それを確認すると、わたしの方を向いて「乗れ!」と合図して自分も先に乗り込み始めた。

あ、あれ…???おじいさんも乗るの?暇つぶしていたんじゃなかったの?

モタモタしていては置いていかれそうなので、わたしもあとを追って乗り込む。

切符切符、、、と思ったがバスはすぐにすごい勢いで発車したので降りるときに聞こうと大人しく一番前の席に座ってバス停の度に乗り降りする人を観察していたのだけど…
誰も切符を持っていない。日本のバスみたいに、小銭をジャラジャラ料金箱に入れている様子もない。定期券かな?

そしてこのおじいさんは、ひょっとしたらひょっとして親切なあまりにわたしを目的地まで連れて行ってくれようとしているのかしら。空港名ショック(前の記事参照)でヨレヨレな日本人を助けようとしてくれているのかしら…などとまたも勝手に想像を巡らせていたら、おじいさん途中のバス停で降りるらしく席から立ち上がった。

「じゃあね」と目配せされたのでお礼を言うと、おじいさんは若い運転手の顔を一瞬見つめると、「わかってるよね」とでも言わんばかりに彼の肩をポンポンと叩いて、結局一銭も払わずにバスを降りて行ったのだった。

イタリアって…

イタリアって…

バス無料なの???(そんなわけない)

いくつかのバス停を過ぎた後は、しばらく山に向かってフリーウェイっぽい道路をひた走る。これもまたさわこさんから聞いていた通り、バスの運転はかなりワイルドであった。滅多に車酔いしないわたしもやや不安になるほど。バスというよりは「トラック野郎」という風情である。

料金のことも謎のまま、バスは唐突に小さな街のバス停に停まった。

B&Bは山の中だから、ものすごく寂しいバス停(例えばトトロに出てくるようなね)を想像していたわたしは、「ねえねえ、あなたここが終点よ!」と降りていく地元の女性たちに声をかけられてまた慌てた。意外と街だった!

運転手さんに、

「えっと、乗る前に切符を買えなかったんです、現金で払いたいんだけど…」

と、もごもご伝えると、彼は

「ああ、もういいからいいから!」

と、とっととわたしを降ろすと再びトラック野郎のように走り去って行ってしまった。
多分、面倒臭かったんだと思う…。

さわこさんと待ち合わせたバスの終点。
迎えに来てくれた彼女の顔を見たときはホッとして、今日1日の珍事件がやっとおかしく思えて笑えてきた。

B&Bまではここからさらに彼女の自家用車で10分くらい走った山の中にあった。途中でスーパーに寄っていただき、3泊の滞在中に必要なものを買い込んだ。

空港のことと言い、バス停のことと言い、初日から彼女をドギマギさせてしまって申し訳なかったけど、待っていてくれる人がいるのは心強いものだなあとこの時しみじみ思ったのだった。


後日判明したバスの正しい乗り方はこうでした。

1)バス停の近所であらかじめバスの切符を購入する。

2)乗車の際に、乗り口にある機械に切符の先端を差し込むと乗車時間が打刻される。

3)以上。切符は回収もされないのでそのまま使用済みがどんどこお財布の中に溜まっていきます(笑)

※これは、2019年6月から7月にかけてのイタリア旅行の振り返り記事です。

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